Pro SDK を使用した ArcGIS Pro の拡張① : ArcGIS Pro SDK とは?

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03-16-2018 03:42 AM

Pro SDK を使用した ArcGIS Pro の拡張① : ArcGIS Pro SDK とは?

 

はじめに

 

ArcGIS Pro は、3D 対応、高パフォーマンス、優れた操作性を実現した最新デスクトップ GIS アプリケーションです。ArcGIS Online との親和性も高く、組み合わせて利用することでより効率的な活用ができます。そこで、ArcGIS Pro のカスタマイズを行う開発者の方に向けて、ArcGIS Pro SDK for .NET(以下 Pro SDK)を使用した ArcGIS Pro の拡張アドインを作成する流れをシリーズで紹介していきます。

 

1. Pro SDK を使用した ArcGIS Pro の拡張:ArcGIS Pro SDK とは?

2. Pro SDK を使用した ArcGIS Pro の拡張:環境構築

 

ArcGIS Pro のカスタマイズについて

 

ArcGIS Pro をカスタマイズする場合は、ユーザーが利用する目的に応じてカスタマイズ方法を検討する必要があります。

ArcGIS Pro のカスタマイズとして、3つのアプローチ方法があります。

 

1. タスク機能によるワークフローの設定

ArcGIS Pro では、Pro タスク と呼ばれる機能が使用できます。このタスクでは、反復可能なワークフローやジオプロセシングツール、独自のジオプロセシングモデルを組み込むことができます。具体的には、一連の操作や処理をタスク ファイルとして保存することで、第3者がステップにしたがって同様の操作や処理を行うことができます。

 

2. 処理フロー モデルと スクリプト (Python) による処理の自動化

ModelBuilder と呼ばれるジオプロセシング ワークフローを構築するためビジュアル プログラミング言語を使用した処理フロー モデルの作成と ArcPy を使用した Python スクリプトの開発があります。このアプローチでは、データ処理やバッチ処理、及び反復な操作などを自動化するための処理フロー モデルやスクリプト(Python)が作成できます。

 

3. Pro SDK を使用した独自のカスタムツールとソリューション構成の拡張

Pro SDK を使用することで独自のカスタムツールとソリューションが拡張できます。Microsoft Visual Studio  .NET を使用することで、Pro の独自のカスタムツールや UI をアドインとして開発することができます。また、ユーザーの利用目的に応じたソリューションも構成できます。

 

本ブログでは Pro SDK を使用して独自のカスタムツールとソリューションの拡張方法を中心にご紹介したいと思います。

まず、第一弾では、Pro SDK の概要について説明します。

 

Pro SDK とは

 

Pro SDK とは ArcGIS Pro のアドイン開発、構成拡張をコンセプトにしたソフトウェア開発キットです。

Pro SDK では、.NET Framework が提供する TAP による非同期プログラミング、統合言語クエリ (LINQ)Windows Presentation Foundation (WPF)、MVVM などの最新の .NET 機能と Pro の API を使用してアドインが開発できます。

 

Pro SDK でできること

 

Pro SDK を利用することで ArcGIS Pro の画面上に表示されている既存のタブメニューを変更したり、独自のタブメニューを追加したりするなどの機能拡張を行うことができます。

また、アドインとして独自のウィンドウ、外部の API を利用したデータの編集、保存などが可能です。アドインは、拡張したタブ内に設置したボタンから起動することができます。

 ※ Pro SDK は ArcGIS Pro の機能拡張とアドインのための開発環境であり、スタンドアロン アプリケーションのような独立したアプリケーションの開発はできません。

 

Pro SDK を使用した開発例として UI のカスタマイズについて紹介します。

 

① リボン インターフェースのカスタマイズ

 

リボン内にある既存のボタン(マップ タブ内のブックマーク ボタン)を削除することができます。

 

② 新規タブの作成

 

リボン上に新規にタブを作成することができます。

 

 

③ アイテム数とフィーチャ レイヤー数の取得

 

カウントボタンをクリックして、プロジェクトに追加しているアイテム数とフィーチャ レイヤー数を表示するといったアドインを開発することもできます。

 

次回は、 開発を始めるにあたって Pro SDK  の環境を構築する方法をご紹介します。

 

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‎11-12-2020 10:07 PM
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