今回は、前回ご紹介した[ブランチ バージョンの概要]に続き、ブランチ バージョンで使用できる機能についてお話ししていきます。
バージョン
バージョン編集が使用できます。ブランチ バージョンは、組織の Web GIS に公開されたフィーチャ サービスを介して、トラディショナル バージョンと同じように、マルチ ユーザー編集、UNDO/REDO、競合の検知ができます。

ブランチ バージョニングは ArcGIS Pro から新しい複数の子バージョンを作成、編集することができますが、ブランチ バージョンとして Portal for ArcGIS に公開されたサービスは、デフォルト バージョンであるので、ArcGIS Pro 以外からそのサービスを編集しようとする場合、それはデフォルト バージョンへ編集を行ったことになります。
属性ルール
ブランチ バージョンを有効化したデータでも属性ルールを使用することができます。
属性ルールは、ドメインやサブタイプなど、ジオデータベースで使用される既存のルールを補完します。ルールがデータセットに追加されたら、編集の実行時やその後に、それらのルールを評価できます。
属性ルールには、データの入力/更新時に即時計算を行う「計算」、ユーザー定義の要件によってデータ入力を制御する「制約」、指定した属性要件またはジオメトリ要件に違反するフィーチャを確認できる「整合チェック」があります。バージョン編集では、複数の人間がデータを編集することを前提としていますので、属性ルールを利用することで、誤ったデータの入力を防ぐことができます。
ArcGIS Utility Network
ArcGIS Utility Network は、公益企業が設備ネットワークを管理するための ArcGIS プラットフォーム上のフレームワークを提供し、現在、電力、ガス、水道分野などに対応しています。
詳しくは、こちらのブログをご参照ください。
設備ネットワークの管理を可能にする ArcGIS Utility Network のご紹介 その 1
設備ネットワークの管理を可能にする ArcGIS Utility Network のご紹介 その 2
設備ネットワークの管理を可能にする ArcGIS Utility Network のご紹介 その 3
ArcGIS Utility Network を利用するには、ブランチ バージョニングとして Portal for ArcGIS に公開する必要があります。
ブランチ バージョンを利用できるデータ タイプは、フィーチャクラス、テーブル、アノテーション、ディメンション、リレーションシップクラス、ユーティリティ ネットワーク、パーセル ファブリック、トポロジ。
エンタープライズ ジオデータベース内のワークフロー オプションの編集のサマリーについては、次の表をご参照ください。

ブランチ バージョンでは、トラディショナル バージョンやバージョン非対応編集では対応していないデータも取り扱うことができます。
ここまで、簡単にではありますが、ブランチ バージョンで使用できる機能をご紹介しました。
ブランチ バージョンを利用できる ArcGIS Pro はこれからもどんどん新しい機能が追加される予定です。ぜひ使ってみてください。
ブランチ バージョンについて、詳しくは下記ヘルプ ページもご覧ください。
■参考リンク
・データセットをブランチ バージョニングでバージョン対応登録
・ブランチ バージョンの作成
・ブランチ バージョンの管理