
はじめに
弊社では、東京公共交通オープンデータチャレンジのアプリケーション部門に応募しました(応募受付期間:2017年12月7日~2018年3月15日)。応募規定により審査終了まではアプリケーションを無償公開しているため、この機会に、第 1 回目は応募したアプリケーションの概要を紹介し、第 2 回ではアプリケーション開発で利用した技術にフォーカスして紹介していきます。
東京公共交通オープンデータチャレンジとは?
東京公共交通オープンデータチャレンジは、公共交通オープンデータ協議会が主催しています。このイベントは、本協議会に参画する交通事業者が、それぞれの保有するデータを一般の開発者に対して公開し、それらのデータを使ったアプリケーションやアイデアを募集するコンテストです。
コンテストでは、JR 東日本、東京メトロ、東京都交通局をはじめ、12 社の鉄道事業者、10 社のバス事業者、3 社の航空事業者からデータが公開されています。データとしては路線情報、時刻表情報などの静的データのほか、電車やバスのリアルタイムな位置情報や運行情報、航空機の発着情報などの動的データも公開されます。
応募したアプリケーションについて
応募した作品は、東京メトロ全路線における電車遅延状況がリアルタイムに一目で分かる Web アプリケーション「リアルタイム列車遅延マップ」です。

次の URL からリアルタイム列車遅延マップにアクセスすることができますので、ぜひご覧ください!
なお、コンテストの結果発表・表彰式が 4 月下旬ですので、それに合わせて公開しています。
注)2018年5月15日でオープンデータチャレンジは終了しましたので、
本アプリの公開も終了いたしました。アクセスいただきましてありがとうございます。
1. アプリケーションのコンセプトと利用シーン
東京メトロ全路線の遅延情報を、直感的に手軽に見えるようにして、列車利用のタイミングを図れるようにしました。
それは例えば、企業で活用する場合ならば悪天候による帰宅や待機の指示を総務部門が出したり、社員自身が通勤のタイミングを検討する際に利用することを想定しています。
電車の遅延は様々な原因から起きるので、気象情報や Twitter の情報も表示することで、総合的な状況把握を可能にしました。
2. アプリケーションのシステム構成

- 地図情報を扱うための GIS (地理情報システム) サーバーを構築
- GIS サーバー上で遅延情報をリアルタイムに配信する仕組みを構築
- 直感的に状況が分かるよう、駅や路線、遅延状況を地図上に可視化
- 利用者の UX を意識した UI 設計
3. アプリケーションの機能
① 東京メトロの駅と路線を地図上に表示
⇒ 全路線の遅延状況が一目でわかります。
② 1分以上の電車の遅延情報を表示
⇒ 遅延区間をクリックすることで何分遅延しているか分かります。
③ Twitterからの遅延情報を表示
⇒ 遅延情報を含むツイートを路線ごとに表示することにより、具体的な状況が把握できます。
④ 現在から 1 時間後までの気象データを地図上に表示
⇒ 気象情報により、今後の状況も予測可能です。

おわりに
リアルタイム列車遅延マップは、一般に公開していますので、ぜひ皆さんも触ってみてください!また、触った感想などを Twitter や ブログなど、各ソーシャルメディアでも気軽に発信していただけると幸いです。
また、こういう機能があったら面白いなど、アプリに対してのアドバイスがあれば Twitter で #geodev_jp をつけてつぶやいていただくと、キャッチします!
次回は、リアルタイム列車遅延マップ開発に利用した技術内容を中心に紹介したいと思います。
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