ArcGIS Notebooks は、Jupyter Notebook をベースにした Esri の統合データ サイエンス環境です。Python を使った ArcGIS での空間解析やデータ管理などの自動化を強力にサポートしています。ArcGIS API for Python や ArcPy をはじめとする多数の Python ライブラリーとの連携に加え、安全な実行環境が提供され、Web GIS における処理を効率化することができます。ArcGIS Notebooks では、Python の実行環境が提供されているだけではなく、既に Python で Web GISの作業を効率化している方はもちろん、使ったことがない方でも利用しやすい便利な機能が提供されています。本記事では、ArcGIS Notebooks が提供する便利な機能をいくつかご紹介します。
ノートブックを作成する際に「テンプレート ノートブック」を選択することができます。
テンプレート ノートブックは、すぐに利用可能なノートブックのコレクションです。
Administration (管理)、Content management (コンテンツ管理)、Data science and spatial analytics (データ サイエンスと空間解析)、Deep learning (ディープ ラーニング)、Maps and apps (マップとアプリ) といった 5 つのカテゴリーに分類されたノートブックから利用することができます。
たとえば、「Content Management」カテゴリーにある、「Overwrite Feature Layers」のテンプレート ノートブックを選択すると、以下のようにコードとその使用方法が記載されているノートブックが開きます。
このテンプレートには、公開済みのフィーチャ レイヤーに対して、csv ファイルを使ってフィーチャの上書きをするという処理があらかじめ記載されています。ノートブック内の csv ファイルのパスや、上書き対象のフィーチャ レイヤーのサービス URL やアイテム ID をご自身のものに書き換えるだけで、すぐに利用することができます。
フィーチャ レイヤーの更新以外にも多数のテンプレートがあり、2026 年 2 月現在は以下のテンプレートが提供されています。テンプレート ノートブックを使用することで、Python を使ったことがない方でも簡単に処理の効率化にノートブックをご活用いただけます。
テンプレート以外にもすぐに使える「コード スニペット」と呼ばれる機能も提供しています。コード スニペットとは、ArcGIS Notebooks 内でよく使うコードを再利用可能なコードとして保存しておける仕組みであり、保存したコードは他のノートブックに挿入することができます。
保存したコード スニペットは ArcGIS Online のコンテンツと同様に共有レベルを設定することができ、組織のメンバー間で共有することも可能です。
また、ご自身で作成したコード以外にも、たとえば、特定ユーザーのクレジット数の確認や、フィーチャクラスからフィーチャ レイヤーに変換など、Esri が提供するコード スニペットも用意されており、ご自身のノートブックに挿入して利用することもできます。
コード スニペットの作成手順の詳細や Esri が提供しているコード スニペットについては、「コード スニペットの使用」をご参照ください。
スナップショットは、ノートブックのある時点の状態を丸ごと保存し、必要に応じて復元できる便利なバックアップ機能です。1 つのノートブックにつき、5 つまでのスナップショットを作成でき、保存した状態にノートブックを復元するか、ノートブック アイテムとしてダウンロードすることができます。
大規模で複雑な処理を行うノートブックの途中保存や入力データを変更する前の状態のノートブックに復元することなどにご活用いただける機能です。
ArcGIS Notebooks ではノートブックを指定した時間や頻度で自動実行する「タスク」機能が提供されています。定期的なデータ更新、レポート作成等の自動化や、長時間の処理の業務時間外の実行など、効率化に役立つ機能です。
タスク機能を利用するには、ノートブックのスケジュール設定権限が割り当てられている必要があります。権限が割り当てられていると、ノートブックに [タスク] メニューが表示され、 スケジュールの詳細を設定することができます。
詳細設定では、最短15分間隔で繰り返し間隔の設定や、自動実行する特定の曜日や時間などの設定を行うことができ、毎日、毎週などの繰り返し作業などの効率化にご活用いただける機能です。
Note:タスク スケジュールによるノートブックの自動実行はクレジットが消費されます。詳細は機能別のクレジットをご参照ください。
ノートブックを Web ツールとして公開することもできます。Web ツールは、ArcGIS Online 上に作成・公開することができる解析ツールで、入出力パラメーターを設定してノートブックを公開することで、Map Viewer や ArcGIS Experience Builder といった Web アプリケーションで利用できるようになります。
Python を使ったことがない方でもツールとして共有することで、ノートブックで作成した処理を実行することができます。
Web ツールの作成方法については、ブログ記事「ArcGIS Notebooks を Web アプリケーションで活用してみよう!」でご紹介しておりますので、あわせてご参照ください。
Note:Web ツールを実行するには、実行するユーザーにノートブックの作成と編集権限と、Web ツールの実行権限が必要となります。また、Web ツールによるノートブックの実行はクレジットが消費されます。詳細は機能別のクレジットをご参照ください。
2026 年 2月の ArcGIS Online アップデートで、AI アシスタントをノートブック内でも使用できる ArcGIS Notebook アシスタントがベータ版として提供されました。
自然言語でやりたいことを入力すると AI が Python コードを生成してくれる機能や、Python コードを入力するとその処理の内容を説明してくれる機能などが提供されています。生成されたコードはノートブックに挿入してそのまま実行することも可能です。
Python を使ったことがない方でもコーディングの支援にご活用いただける機能です。現在はベータ版のため、今後の機能拡張にもご期待ください!
本記事では、ArcGIS Notebooks が提供する便利な機能についてご紹介しました。ArcGIS Notebooks では Python のコードを記述・実行できる環境だけではなく、汎用的に利用できるテンプレートやスニペット、ノートブック自動実行することができる機能など、多数の機能が提供されています。また、最新のアップデートでは、AI アシスタントによるコーディングの支援などに便利な機能がベータ版で提供されていますので、Web GIS での処理の効率化に ArcGIS Notebooks をぜひご活用ください。
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