ArcGIS Enterprise 12.0 に向けて知っておくべきポイント

はじめに

ArcGIS Enterprise 11.5 の英語版が、2025 年 5 月 22 日 (米国時間) にリリースされました。次期バージョンとなる ArcGIS Enterprise 12.0 は、2025 年初冬のリリースが予定されています。

ArcGIS Enterprise 12.0 では、新しいサーバーロールや追加機能など、多くの新機能が導入される予定です。一方で、削除される機能も多数存在しており、移行にあたっては注意が必要です。

本ブログでは、ArcGIS Enterprise 12.0 以降のバージョンへの移行を検討する際に押さえておきたい、削除予定の機能や知っておくべきポイントをまとめました。

削除される機能

・ArcGIS Web AppBuilder

ArcGIS Web AppBuilder は ArcGIS Experience Builder に置き換えられました。

ArcGIS Enterprise 12.0 以降では、ArcGIS Web AppBuilder アプリの表示、作成、編集ができなくなります。そのため、ArcGIS Web AppBuilder から、ArcGIS Experience Builder への移行が必要となります。

移行に必要な情報の詳細については、米国 Esri のEsri コミュニティートピック、ブログなどをご参照ください。

・ArcGIS Configurable Apps

ArcGIS Configurable Apps は ArcGIS Instant Apps に置き換えられました。

移行の際には、ArcGIS Configurable Apps の廃止通知にある表を参照してください。この表には、廃止された ArcGIS Configurable App テンプレートごとに推奨される代替アプリが示されています。ほとんどの場合、推奨される代替アプリは ArcGIS Instant App ですが、ArcGIS Experience Builder や ArcGIS StoryMaps などの他の ArcGIS アプリも代替策として検討できます。

・Map Viewer Classic

Map Viewer Classic はMap Viewerに置き換えられました。

Map Viewer Classic から Map Viewer への移行には、コンテンツの移行は不要です。Map Viewer Classic で作成されたマップは Map Viewer でも正常に開き、動作します。

Map Viewer の活用方法については、Map Viewer の基本操作をご参照ください。

・タイルキャッシュデータストア

※以下は ArcGIS Enterprise 11.4 以降の更新内容です。

ArcGIS Enterprise 11.4 からArcGIS Data Store のタイルキャッシュデータストアが非推奨となり、オブジェクトストアに置き換えられました。ArcGIS Enterprise 11.5 がタイルキャッシュデータストアをサポートする最後のリリースになります。

タイルキャッシュデータストアからオブジェクトストアへの移行の詳細については、米国 Esri ブログ、「ArcGIS Enterprise : オブジェクトストアへの移行」をご参照ください。

・メタデータエディタークラシック

メタデータエディタークラシックはメタデータエディターに置き換えられました。

従来のメタデータエディタークラシックを使用して保存したメタデータは、新しいメタデータエディターにシームレスに移行します。移行の詳細については、米国 Esri ブログ「メタデータエディタークラシックの廃止」をご参照ください。

ライフサイクルの変更

ArcGIS Enterprise 12.0 から製品ライフサイクルが変更になります。

長期サポートリリース（LTS）は約 4 年間、短期サポートリリース（STS）は約 1 年間のサポート期間となります。また、サポート対象すべての ArcGIS Enterprise バージョンは常にセキュリティーパッチの対象となります。なお、ArcGIS Enterprise 12.0 より前にリリースされた ArcGIS Enterprise のバージョンには影響がありません。

ArcGIS Enterprise の新たな製品ライフサイクルに伴い、ArcGIS Enterprise 12.0 への移行に与える影響を慎重に検討することが重要です。

詳細については、ArcGIS ブログ「ArcGIS Enterprise 製品ライフサイクルの更新」をご参照ください。

おわりに

ArcGIS Enterprise 12.0 では、機能の追加だけでなく、既存機能の廃止やライフサイクルの変更など、運用に影響を与える重要な変更が含まれています。移行にあたっては、各変更点を十分に理解し、計画的な対応を進めてください。

ArcGIS Enterprise 12.0 に向けて知っておくべきポイント