2019/9/13 (金) に ArcGIS Pro SDK for .NET (以下 Pro SDK) を使用してアドイン拡張を学ぶためのハンズオン資料、そのハンズオンで使用するソース コードとデータを公開しました。このハンズオンは、独力での開発を行う手助けとなるような構成になっており、その中で皆様に理解いただきたいポイントは以下の 2 つです。
本記事では、今後、「Pro SDK を使用した機能開発」というシリーズでの連載をはじめるにあたり、ハンズオン資料に含まれている、次についてご紹介したいと思います※。
※ Pro SDK を使用するための基礎となる内容が盛り込まれていますので、予習しておくと、次からのシリーズ連載の理解がよりスムーズにできると思います。
ハンズオンの内容は大きく 2 つに分かれています。
前半のコアコンセプトについては、Pro SDK の概要、API の構成、提供しているテンプレートや、実装方法など開発手法を理解するための情報について記述されています。
そして、後半の開発についてでは、API の構成に含まれるカテゴリごとの使い方や実装方法、参照すべき情報について解説しています。
この、前半、後半を通して、とても大切なものが API の構成、API を理解するためのリソースです。
今回はこの API の構成やリソースについて説明します。
図:Pro SDK を構成する各API のイメージ
Pro SDK は ArcGIS Pro の機能を操作するための API がコンセプトごとにカテゴリ分けされて構成されており、 API を通じて各カテゴリの要素や機能操作、制御などを行います。
例えば、「レイアウト」カテゴリの API ではArcGIS Pro のレイアウト機能に関する制御を行うクラスやメソッドを提供しており、「編集」カテゴリの API では地理空間データの作成や編集機能を提供しています。このように、ArcGIS Pro の各機能に対してAPI がカテゴリごとに構成されており、API の使い方を理解するためのリソースもカテゴリごとに説明やサンプルが提供されています。
Pro SDK の API を理解するうえで、よく使用するリソースとして以下が提供されています※。
リソースの使い方を一つ上げてみます。
例えば、マップ ビューに対してマウス クリックなどのイベントが発生した際にある特定の操作をしたい場合、
ここまで、API の構成や理解に必要なリソースについて説明しました。
Pro SDK を使った開発を行うにあたって、API の構成とカテゴリごとのコンセプト、それを理解するためのリソースを把握することが独力で開発をするための一番の近道です。
今回ご紹介した、ハンズオン資料とハンズオン データを使って学習し、Pro SDK の基礎を身につけましょう。そして、次のシリーズ「Pro SDK を使用した機能開発」では、実際に API を活用した開発について、実装と解説を交えた記事を連載予定です。ぜひ、開発のステップアップとしてご覧いただければと思います。
なお、Pro SDK を使った開発の入門編にあたる記事「Pro SDK を使用した ArcGIS Pro の拡張」シリーズを以前、GeoNet で連載しました。こちらには、環境の構築から簡単なアドインの作成までの記事を連載していますので、これから Pro SDK を使った開発を始める方はご覧ください。
第1回:1-ArcGIS Pro SDK for .NET を使用した機能開発 ~マップとの対話的な操作その1~
第2回:2-ArcGIS Pro SDK for .NET を使用した機能開発 ~マップとの対話的な操作その 2~
第3回:3-ArcGIS Pro SDK for .NET を使用した機能開発 ~レンダラーの設定~
第4回:4-ArcGIS Pro SDK for .NET を使用した機能開発 ~アノテーションの操作~
第5回:5-ArcGIS Pro SDK for .NET を使用した機能開発 ~ジオメトリ変換~