ArcGIS Enterprise で公開できるサービス:マップ サービス編

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09-06-2022 09:46 PM
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ArcGIS Enterprise で公開できるサービス:マップ サービス編

はじめに

ArcGIS Enterprise はオンプレミス環境やクラウド環境、仮想環境で Web を介して GIS 機能を提供するサーバーソフトウェアで、組織内での地理空間情報の配信や、マップ・アプリケーションの作成、コンテンツの管理・共有機能を提供します。

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本ブログでは、Web GIS の基盤となる ArcGIS Enterprise で公開できる主要な Web サービスの概要や主な機能に関してシリーズとして紹介していく予定です。

  1. マップ サービス編
  2. フィーチャ サービス編
  3. ベクター タイル サービス編
  4. シーン サービス編

1回目となる今回は、マップ サービスについて紹介します。

 

マップ サービスとは?

マップ サービスとは、その名の通りクライアントに地図(マップ)を配信する Web サービスです。サービスのデータソースとしては、シェープファイルやフィーチャクラス、ラスター データなど様々な形式に対応しており、マップ サービスは、ArcGIS Enterprise を構成するコンポーネントのうち、ArcGIS Server によって地図(マップ)の配信が行われます。

 

マップ サービスの種類

マップ サービスはダイナミック マップ サービスとキャッシュ マップ サービス(マップ キャッシュ)の2種類に大別されます。

 

ダイナミック マップ サービス

  • クライアントからのリクエストに応じてサーバー側で地図画像を生成し、クライアントに地図画像を返します。レンダリングを変更した地図画像を返すことも可能です。

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  • Web 上からの編集(図形編集/属性編集)には対応しておらず、参照専用となります。
  • 第2回目で紹介するフィーチャ サービスとは異なり、クライアントからのリクエストに応じてサーバー側で地図画像を生成してクライアント側に返すため、複雑なジオメトリ(頂点数が非常に多いポリゴン)やレコード数が多いフィーチャクラスを取り扱う場合に適しています。
  • ArcGIS Enterprise の Portal for ArcGIS 上では以下の画像のように表示されます。ArcGIS Server インストール時にデフォルトで付属する「SampleWorldCities」サービスはダイナミック マップ サービスです。Web ブラウザの開発者ツールを利用することで、レスポンスとして地図画像が返されていることが確認できます。

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  • ArcGIS API for JavaScript で参照する場合は、MapImageLayer クラス(JavaScript 4.x 系)や ArcGISDynamicMapServiceLayer クラス(JavaScript 3.x 系)を利用します。

 

キャッシュ マップ サービス(マップ キャッシュ)

  • 縮尺毎に、タイル状に区切られたマップの画像を予めサーバー側で生成・保持しておくで、クライアントからの要求に対してすばやくレスポンスすることができるサービスです。

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  • 用途としては、背景地図やサービスのデータソースの更新頻度が低いデータの利用に適しています。データソースに変更があった際はタイル画像の再作成が必要になります。
  • タイル画像を作成する縮尺や範囲によって、大きなディスク容量やマシンリソースを消費するため、事前に小さな範囲でタイル画像を作成して、見栄えなどを確認することが推奨されています。
  • ArcGIS Enterprise の Portal for ArcGIS 上では以下の画像のように表示され、Web ブラウザの開発者ツールを利用することで、レスポンスとしてタイル状の地図画像が返されていることが確認できます。

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  • ArcGIS API for JavaScript で参照する場合は、TileLayer クラス(JavaScript 4.x 系)や ArcGISTiledMapServiceLayer クラス(JavaScript 3.x 系)を利用します。

 

マップ サービスの主な機能

マップ サービスは、地図描画だけでなく検索や OGC WMS WCS などにも対応しています。ArcGIS REST Services Directory を利用される方は、イメージしやすいかもしれませんが、Identify(複数レイヤーに対しての個別属性表示) や Find(属性検索)、Query(個々のレイヤーに対する属性検索/空間検索)といったオペレーションを URL を介して実行することも可能です。Map Viewer でのサービス利用時やArcGIS Dashboards ArcGIS Experience Builder などのアプリからは、機能に応じて内部的にこれらのオペレーションが実行されています。

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まとめ

ArcGIS Enterprise で公開できる主要な Web サービスに関するシリーズ記事の第一弾として、今回はマップ サービスの概要や機能について紹介しました。次回は、フィーチャ サービスについて紹介する予定です。

 

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