ArcGIS Velocity でリアルタイム データをマップに表示してみよう

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04-18-2023 05:41 PM
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ArcGIS Velocity でリアルタイム データをマップに表示してみよう

はじめに

ArcGIS Velocity は、リアルタイム データの解析やビッグデータの解析を行うことができる ArcGIS Online のエクステンション製品で、SaaS (Software-as-a-Service) として提供しています。

今回は、ArcGIS Velocity を使用して、ストリーム レイヤー に位置情報および時刻を含んだデータを流し込み、マップ上でリアルタイム データを確認してみます。

 

KojiKUROSAWA_0-1681862133294.png

 

データの準備

以下のような情報を含んだデータを準備します。

項目

説明

識別番号

時系列なデータとして個体を追跡するための一意の文字列

位置情報

X / Y 座標値 (空間参照 : GCS WGS 1984)

日時

上記位置における日付および時刻

 

KojiKUROSAWA_1-1681862204884.png

 

準備したデータ群を 1 つの CSV ファイルとして ArcGIS Velocity から参照できる場所(Amazon S3 Azure Blob ストレージなど)へ配置しておきます。

 

フィードの作成

フィードとは、リアルタイムのデータ ストリームを処理するための仕組みです。フィードは、IoT デバイスや Web サービス、アプリケーションなどの様々なデータ ソースからのデータを収集できます。

今回は、準備したデータを使ってリアルタイム データを再現したいため、HTTP シミュレーターをフィードとして作成します。ライセンス タイプによって取り込んで処理できるデータ量が変わりますので、適切なイベントの送信間隔を設定します。

 

KojiKUROSAWA_2-1681862257913.png

 

KojiKUROSAWA_3-1681862277962.png

 

ロケーションの設定として、X(経度)と Y(緯度)、空間参照を指定します。

 

KojiKUROSAWA_4-1681862312219.png

 

日時の設定はオプションになりますが、連続した時系列データを範囲指定で取得したい場合は、設定が必要になります。トラッキングの設定は必須となりますので、識別番号を指定します。

 

KojiKUROSAWA_5-1681862332255.png

 

リアルタイム解析の作成

新しいリアルタイム解析を作成します。フィードには、作成したフィードを選択します。出力には、ストリーム レイヤーを指定します。ストリーム レイヤーを作成後、フィードと接続することで、HTTP シミュレーターから読み込まれたデータがストリーム レイヤーに流れるようになります。

 

 

リアルタイム解析の実行

リアルタイム解析を保存し、実行してみます。初期化完了後にデータが流れ始めると、各ノードを繋いでいるルートがアニメーション表示されていることが分かります。

また、[データ サンプラー] を有効化することで実際にどのようなデータが流れているか確認できます。出力のノードを右クリックして、コンテキスト メニューから [ノード データのサンプリング] を選択します。

 

 

データ サンプラーで、実際にノードを流れるデータのサンプル値の確認ができました。次にマップ上でどのようにデータが流れているか確認してみます。ポータルへアクセスし、作成したストリーム レイヤーを Map Viewer Classic で開きます (新しい Viewer は今後サポート予定です)

 

KojiKUROSAWA_6-1681862571970.png

 

HTTP シミュレーターからデータが流れてくると、徐々にマップ上にポイントが現れ始めます。そして、表示されたポイントに対して新しいデータが流れてくると、ポイントが少しずつ動いていくことが確認できます。

 

KojiKUROSAWA_7-1681862610898.png


例えば、上記のようなデータが順次流れてきた場合は、下図のような軌跡を辿り移動していきます。

 

KojiKUROSAWA_8-1681862640247.png

 

まとめ

今回は、ArcGIS Velocity の主要な機能であるリアルタイム解析の作成と、リアルタイムに流れるデータの確認について紹介しました。実際に IoT デバイスがなくても、HTTP シミュレーターを利用することで、リアルタイム データを疑似的に再現できるのは非常に便利です。次回以降では、リアルタイム解析内における処理について、もう少し詳しく見ていきたいと思います。

 

関連リンク

ESRI ジャパン Web サイト:

Esri 社 (米国) Web サイト:

チュートリアル:

 

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