はじめに
ArcGIS Online / ArcGIS Enterprise には、アイテムを適切に管理する様々な機能が備わっています。以前の記事でご紹介したタグ機能やカテゴリ機能を活用することで、アイテムの検索性を向上させることができます。さらに、グループ共有機能を活用して、アイテムを利用できるユーザーを適切に制限することもできます。
上記の機能に加えて、削除やコピーといった操作からアイテムを保護する機能も備わっており、この機能を活用することで、アプリケーションで使用されているアイテムが誤って削除されることを防いだり、 他のユーザーによる Web マップのコピーやレイヤーのダウンロード、アイテムに対するコメント入力といった操作を制御することができます。 本記事では、これらの操作から、お客様がお持ちのアイテムを保護する機能をご紹介します。
アイテムの削除防止を設定
うっかりアイテムを削除してしまうことを防ぐには、アイテム設定で [削除の防止] を有効化することで対処することができます。
アイテム詳細ページの [設定] タブにある [削除の防止] プロパティ内の「このアイテムが誤って削除されないようにします。」にチェックを入れることで、ユーザーはそのアイテムに対して削除操作ができなくなります。
タグやグループ機能を用いて、削除したくないアイテムを明示的に識別する方法もありますが、こちらの機能を活用いただくのが、誤ったアイテム削除を防ぐ最も確実な方法です。
([削除の防止] を有効化する設定は、ヘルプ「アイテムの詳細 -サイト設定-」の「削除の防止」セクションに記載されています。こちらのページには、所有者の変更やアイテムの共有など、アイテム詳細ページ上で行う設定について記載されています。詳細ページ上でアイテムの設定を行う際は、こちらのヘルプ ページをご参照ください。)
他のユーザーによる Web マップのコピーを防止
ArcGIS Enterprise / ArcGIS Online では、他のユーザーが所有する Web マップをコピーすることができますが、まだ作成途中などの理由で、ご自身が所有する Web マップを他のユーザーにコピーされたくない場合があるかもしれません。他のユーザーに Web マップをコピーされたくない場合は、アイテム設定で Web マップのコピー操作を無効化することで対処できます。アイテム詳細ページの [設定] タブにある [Web マップ] プロパティ内の [他のユーザーがこのアイテムをコピーすることを許可します。] のチェックを外すことで、 他のユーザーによる Web マップのコピーを無効化します。
(Web マップのコピー操作を無効化する設定はヘルプ「アイテムの詳細 -Web マップの設定-」の [名前を付けて保存] セクションに記載されています。こちらのページには、Web マップのコピーの制御以外にも Web マップに関する設定方法が記載されています。Web マップの設定を行う際はこちらのヘルプ ページをご参照ください。)
ホスト フィーチャレイヤーのエクスポートを制御
ホスト フィーチャ レイヤーは、アイテム詳細ページから様々なファイル形式(シェープファイル、csv、ファイル ジオデータベースなど)で出力することができます。(アイテム詳細ページの [エクスポート] をクリックすることで、様々なファイル形式で出力できます)
他のユーザーにデータをダウンロードされたくないなどの理由でレイヤーのエクスポートを防止したい場合は、アイテム設定でエクスポート機能を無効化することで対処することができます。アイテム詳細ページの [設定] タブにある [データのエクスポート] プロパティにて、[他のユーザーが別の形式にエクスポートすることを許可します。] のチェックを外すことで、エクスポート機能を無効化することができます。
(エクスポートに関する設定の詳細はヘルプ「ホスト フィーチャ レイヤーの管理 -データのエクスポートの許可-」に記載されています。こちらのページにはエクスポートの設定以外にもホスト フィーチャ レイヤーに対する編集操作を制御する設定など、ホスト フィーチャ レイヤーの管理設定方法が記載されています。ホスト フィーチャ レイヤーの管理設定を行う際は、こちらのヘルプ ページをご参照ください。)
アイテムに対するコメント入力機能を制御
アイテムには、質問や要望などを記録するコメント機能があります(コメントはアイテム詳細ページ上で入力することができます)。
アイテムの所有者は、コメントを通して他のユーザーからアイテムに対するフィードバックを得ることができるので、コメント機能は所有するアイテムを改善する一助となります。一方、フィードバックを踏まえてアイテムを改善し終え、これ以上のコメントを必要としていない場合、組織サイトの管理者として、コメント機能の使用を無効化することで、ユーザーからのコメント入力をできなくすることができます。
組織サイトの [組織] → [設定] → [アイテム] タブの「組織内のアイテムに対するコメントを表示および許可」のチェックを外すことで、組織内のユーザーはアイテムに対してコメントを記録できなくなります。無効化すると、これまで入力されたコメントも表示されなくなります(再度有効化すると、過去に入力されたコメントが再表示されます)。
(アイテムのコメントに関する設定は「アイテムの構成 -コメント-」に記載されています。こちらのページには、コメント機能以外にも、アイテムのメタデータやアイテムに付与するカテゴリに関する設定方法も記載されていますので、これらの設定を行う際はこちらのヘルプ ページをご参照ください。)
さいごに
本記事では、削除やコピーといった操作からアイテムを保護する機能をご紹介しました。削除されては困るアイテムに対しては削除の操作そのものを無効にするなど、アイテムを適切に管理する手段の1つとして、今回ご紹介した機能を活用いただければと思います。
また、GeoNet では、アイテム管理のポイントとして、アイテムの検索性を向上させるタグ機能とカテゴリ機能を紹介した記事も配信していますので、併せてそちらの記事もご参照いただければと思います(記事は以下の [関連リンク] に記載しています)。
関連リンク
米国 Esri 社ブログ(本記事は以下のブログの内容を基に作成しています)
・Protect your ArcGIS Online items
ArcGIS 関連ページ
・ArcGIS Enterprise(ESRI ジャパン製品ページ)
・ArcGIS Enterprise(米国 Esri ヘルプ ページ)
アイテム管理のポイントの紹介(アイテムの検索性を向上させるタグ機能とカテゴリ機能を紹介した記事です)
・アイテム管理のポイントの紹介 – 前編 –:タグを効果的に活用しましょう
・アイテム管理のポイントの紹介 – 後編 –:カテゴリを活用しましょう