厳選 ! ! 知っておくべき ArcGIS Enterprise 10.8 の新機能

1115
0
05-24-2020 10:43 PM

厳選 ! ! 知っておくべき ArcGIS Enterprise 10.8 の新機能

2020 年 5 月 18 日、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が一部地域で続く中、ArcGIS Enterprise の最新バージョンである 10.8 を短期サポート(STS: Short Term Support)対象バージョンとしてリリースしました。 (製品ライフサイクルの更新内容の詳細はこちらをご確認をご確認ください)

ArcGIS Enterprise 10.8 では管理機能からデータ、マップ、アプリに至るまで、製品全体で大幅なアップデートや機能強化が行われています。

本記事では、そんな大幅に進化した ArcGIS Enterprise 10.8 のハイライトとして、新機能ページで紹介している機能に加え、そこでは紹介しきれなかったデータの管理や、共有を容易にする機能など、特に注目したい新機能をご紹介します。

 

ArcGIS Enterprise の可用性の向上

ArcGIS Enterprise 全体を読み取り専用モードにすることができるようになりました。

この機能を利用することでシステム管理者は、ArcGIS のパッチの適用、アップグレード、ハードウェア更新などのメンテナンスにおける、システムのダウンタイムやデータ損失などを最小限にすることができます。

読み取り専用モードでは、アイテム作成や更新などのシステムに変更を加えるような操作を一貫して制限する一方で、コンテンツの表示など変更を加えないような操作はユーザーに提供を続けることができます。

詳細についてはヘルプ「ArcGIS Enterprise の読み取り専用モード」に記載されているので、この機能を活用される際はご参照ください。

 

情報バナーとアクセス通知の追加

組織サイトを運用、提供していく上で、重要なお知らせや、アクセス時の同意を得るようなケースがあります。そのようなケースに対応できるように新たに [情報バナー] [アクセス通知] が追加されました。

情報バナーは、サイトのすべてのページで表示され、これから予定されるメンテナンス情報や大事な情報を表示させ、ユーザーに意識を向かせることに役立てられます。設定方法の詳細についてはヘルプ「アクセス時の通知」に記載されているので、この機能を活用される際はご参照ください。

                               

 

アクセス通知は、ユーザーがポータル サイトへ初回アクセスする際に表示されるメッセージで、利用するにあたっての注意事項や利用規約などへの同意などをユーザーに提供することができるようになりました。設定方法の詳細についてはヘルプ「情報バナー」に記載されているので、この機能を活用される際はご参照ください。

 

 

組織サイトの管理

新しいメンバーのデフォルト設定

新規ユーザーに設定するユーザータイプ、ロールの設定をあらかじめ登録することができるようになりました。この機能を活用すると、ユーザーを新規追加する際、設定内容が自動的にセットされるので、ユーザー設定の手間を省略することができます。設定方法の詳細についてはヘルプ「新しいメンバーのデフォルト設定」に記載されているので、この機能を活用される際はご参照ください。

     

グループ機能強化

グループを作ることによって、目的に合ったメンバーを選定できますが、追加するメンバーが多い時に個々に追加するのは煩わしいと思ったことはないでしょうか。今回のアップデートではフィルター機能が強化されており、 [ユーザー タイプ] や [ロール] などでフィルターした後に該当するメンバーをまとめて招待できるようになりました。設定方法や詳細についてはヘルプ「メンバーの招待」に記載されているので、この機能を活用される際はご参照ください。

     

 

また、グループ所有者やグループ管理者以外はグループ メンバーの一覧を非表示にする機能や、グループ管理者および所有者以外はグループ メンバーを削除できないようにする機能など、グループの管理オプションが追加されました。

設定方法や詳細はヘルプ「グループの作成」に記載されているので、この機能を活用される際はご参照ください。

 

 

さらに、グループ内のコンテンツ タブから [アイテムをグループに追加] する機能が追加されました。これまでのバージョンでは、グループにアイテムを共有するにはアイテムページに移動して追加するといった手順が必要でしたが、今回のアップデートでは、グループ ページ内でアイテムを複数まとめて追加することできます。

 

ベクター タイルの機能強化

ベクター タイル レイヤーのレイヤー置換

既存のホスト ベクター タイル レイヤーのアイテム詳細ページに [レイヤーの置換] の オプションが拡張されました。

指定したベクター タイル レイヤーでホスト ベクター タイル レイヤーを置換することができ、レイヤーのアイテム ID URL を変更せずに更新することができます。そのためアプリなどで使用している場合、アイテム ID URL の参照先を変更することなくレイヤーの更新をすることができます。今回のアップデートでは、レイヤー置換のワークフローが改善されました。指定したレイヤーで置換する際のオプションが増えただけでなく、置換後のレイヤーをプレビュー画面で表示することができます。ベクター タイル レイヤーの置換方法の詳細はヘルプ「ホスト ベクター タイル レイヤーの置換」に記載されているので、この機能を活用される際はご参照ください。

 

ArcGIS Vector Tile Style Editor が利用可能に

ArcGIS Vector Tile Style Editor を活用したレイヤーの見映えのスタイル調整や、デフォルトのスタイルの置換がポータル上で簡単に行うことが出来ます。設定方法や詳細はヘルプ「What is the ArcGIS Vector Tile Style Editor?」に記載されているので、この機能を活用される際はご参照ください。

 

アプリ

サポート中のアプリを一覧で確認できる Webサイト が新設されました。

アプリによっては提供形態も変化しており、別途インストールが必要だった [Workforce for ArcGIS] が ArcGIS Enterprise Portal をセットアップするとすぐに使えるようになりました。

 

サイトの作成

 

セットアップしてすぐに使えるアプリの中に ArcGIS Enterprise Sites があり、こちらのアプリも強化されています。

ArcGIS Enterprise Sites を使用することで、目的に合ったコンテンツをまとめて Web サイトに構築でき、効果的に情報展開することができます。今回のアップデートでは主に以下の 3 つが更新されています。

 

・ユーザー インターフェースが変更されました。新規サイトを作成するプロセスも変更され、サイトの作成も簡易になり、管理ページではアイテム検索やフィルター機能が追加され、目的のサイトを効率よく見つけることができるように改善されました。

                                      

 

既存のサイトのクローンを作成することができるようになりました。1 からレイアウトを作成する必要がなくなり、サイト全体のレイアウトを容易に統一することができます。

 

 

・サイトが作成されると [グループ] タブに作成したサイトに対応したコア チーム グループとコンテンツ グループが作成されるようになりました。

コア チーム グループに割り当てられたメンバーはサイトの編集と更新ができ、コンテンツ グループはサイトで共有するアイテムを追加するために利用します。これにより、サイトの管理やコンテンツ共有を行うメンバーの役割を明確に識別できるようになります。

 

 

さいごに

本記事では、大幅に進化した ArcGIS Enterprise 10.8 の新機能にハイライトしてご紹介しました。これからバージョンアップを検討されている管理者や、これから導入しようとしている方は本記事を参照いただき、最新バージョンの利用を検討に加えて頂ければと思います。

 

関連リンク

米国 Esri 社ブログ

   ・What's New in ArcGIS Enterprise 10.8

 

ArcGIS 関連 ページ

ArcGIS Enterprise の新機能ページ(ESRI ジャパン製品ページ)

ArcGIS Enterprise の新機能ページ(米国 Esri ヘルプ ページ)

Version history
Last update:
‎11-12-2020 11:20 PM
Updated by: